自分の目を疑った。


そうあって欲しい…


そんな思いが幻として俺の目に映ったのかと……





だけどその幻は







「……い、ちご……ちゃん?」











  
# 07













石田のヤローを探していてフと入った公園でまた虚の、しかもかなりの数を見つけてしまった俺は面倒ながらもその中に突っ込んでいった。



でも待てよ?


あいつら俺には気づいてねぇ……


何か違うものに気を取られてやがる。




兎に角、この場を何とか切り抜けて少しでも早く石田のヤローに一発お見舞いしねぇと、俺の気がすまねぇ。








「おい」



群がる虚に声を掛け、それに気づいた虚が数匹俺のほうへ振り返る。




「なっ!?ココにも死神が!!?」



ココにも…?どういうことだ?


俺のほかにも死神が居るってのか?




考えている暇もなく、虚が俺めがけて腕を振り下ろす。



「おせぇよ」





振り下ろされる腕を交わし、下から上に向け斬魄刀を振り上げ虚を真っ二つにする。







「なっなんだぁ!!!?」



それに気づいた他の虚が次々に俺に振り返り、攻撃してくる。



そんなに強くもないがこうも多いとだんだんイライラしてくる。







「クソッ!!!邪魔なんだよ!!!!!!!」





次々に繰り出される攻撃を交わしつつ、確実に数を減らしていく。


が、それでも虚は現れる。





「あぁぁぁぁ!!!もぅテメェらしつけぇっ!!!!!」





その時だった……あいつの声が聞こえたのは。






「一人じゃっ……」





搾り出すような声。



この虚の群れの中心に誰か居る。





「あぁ!?誰かいんのかっ!!!?って!どけよオラッ」





徐々にその中心に近づくにつれ、その姿が少しずつ俺の目に入ってくる。



死覇装姿……死神!?



さっきの声からして女の死神か…。







そして強引に進んだ先で俺が見たのは、あの日、俺を庇って死んだ大切な幼馴染とまったく一緒な髪をした死神だった。



もしあいつが生きていたら俺と同い年。


目の前のこの死神も俺と同い年くらいだ…。


顔もどことなくあいつに似ている……



けど、あいつは死んでて、もし死神になってたら、って思ったのは俺の都合のいい解釈で……





だが俺の目の前のやつはどうしてもあいつを思い出させてしまうモノを持っていた…。






白銀の髪。





月の光のような優しい色の髪。



俺はその色が好きだった。





そうそういない色の髪を持ったあいつにそっくりな死神………。







もの凄い勢いでそんなことが頭をよぎった





そして       











「…おま……まさか…………なのか……」






















虚たちはその間にも増え、次々に攻撃を繰り出してくる。




(やべぇ、だんだん離されてやがる)



1体の攻撃をかわすたびに、どんどんから遠ざかっている自分に気づく。




(こうなったら1秒でも早くこいつらを倒して…)




「テメェ等邪魔なんだよっ!!!」




早く……早く……早く、早く、早く!!!!
















「テメェで最後だっ!!!!         っは、は…っは……。っはっ!!」





やっと最後の虚を倒し、がいる木を見る……






「っ………う、そだろ……」




辺りを見渡すがの姿が見当たらない。


だけじゃねぇ、が庇っていた子供の姿もない。





不安が頭をよぎる







(大丈夫だ。…あいつは、は必ず生きてる)







こんなこと早く終わらせて、そんであいつを探そう。












きっとまた逢える。










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