順調…ではなかったが、何とか全ての隊に挨拶が出来た 一部の例外を除いて、だが # 05 「ハァハァハァ…や…やっとまいた……。更木隊長しつこ過ぎ……」 十一番隊隊長・更木剣八 彼は事あるごとにを見つけては その度には瀞霊廷内を走り回りなんとか逃げていた 「でもま、数日はこれもないと思うと少し寂しいかな」 壁を背に尸魂界から見る空を眺める 「なんやちゃんまた追いかけられてたん?」 「っ!」 掛けられた声にビクリと明らかな反応を見せるに、ニヤリと笑みを浮かべる男 が護廷十三隊、否、死神の中でも特に苦手とする人物、三番隊隊長 「……市丸…ギン………」 「あかんよ?仮にも僕は隊長で君は三席、僕のことはちゃんと"市丸隊長"言わな」 確実にに近づいてくる市丸 「霊圧を消して近づくなんて、隊長のなさることですか」 「ちょっと驚かそう思てね」 の目前で歩みを止めた市丸 「そない警戒せんでも、今日はただ挨拶に来ただけ。それに」 「やっと見つけましたよ隊長!」 シュッと市丸の後ろに現れた1人の青年 「もう追いついたん?イズルもなかなかやるなぁ」 「今日中に処理してほしい書類があるんです! 「こ、こんにちは吉良副隊長」 三番隊副隊長・吉良イズル 少し疲れて見えるのは気のせいじゃないだろう 「明日から現世に行くんだって?」 「ぁ、はい……数日ですが」 「そっか、気をつけて」 「あ〜ぁ、それ僕が言おうと思てたんに」 「(ここから離れるなら今しかないっ) 「あぁ、うん。じゃぁ頑張って」 は吉良に一礼し、2人に背を向け立ち去ろうとした その次の瞬間 「あぁ言い忘れるとこやった」 パシッとの右腕を掴み背後からの耳元で囁くように彼は言った 「 その後どうやって自分の部屋に戻ったかわからない ただあの時の震えがまだ収まらない 部屋に差し込む夕日に、は誘われるように外へ出た 眩しいほどに綺麗な夕日 優しい光 大好きな色 (不思議……。震えが収まってく) 全てを包んでくれる夕日がは大好きだった 「いつまでもこんなんじゃ駄目だよね」 『ぅっ……ック………』 『 』 『だってっ……ック……』 『 』 『ヤだよぉーー』 思い出す一番古い記憶 もう何年も前の、忘れられない大切な思いで 自分が死んだ日をは一度も後悔したことはない 大事な人を護れたのだから 「こういうの里帰り、って言うのかな。 泣き虫だった少年は今どうしてるんだろう… 「兎に角!!まずはルキアを探さないとね」 いつの間にか震えも収まっていた。 現世まであと数時間 前項 / 次項 |