バンッ        

っ…只今戻りま」
遅いっ!!!





急いで十番隊詰め所に帰ってきたにも関わらず、やっぱり黙々と仕事をしていたその人は眉間に皺を寄せ書類を片付けていた






「これでも急いで来たんですよ〜            …って、何で隊長お一人なんですか?松本副隊長は……」




がココを出る前まではダルそうに書類を眺め…片付けて居た十番隊副隊長・松本 乱菊の姿がどこにも見当たらない




の言葉を聞き、十番隊隊長・日番谷 冬獅郎の眉間の皺が更に増えたのは見間違いではないだろう…






「あのバカは」











  
# 03













遡る事1時間ほど前        






が出て行って20分程がたった








黙々と仕事をこなしていく日番谷と、その半分のスピードでやる気のない松本




「ねぇ〜隊長ぉ」

「……………………」




遅くないですかぁ?」

「………………あぁ…」


「(隊長ってば、やっぱ気になってたんだ)     私心配だから探してきますっ!」





心配、というわりには顔が嬉しそうな松本を横目に、日番谷も少し遅いを心配していたのも事実




「ほら、ってしっかりしてそうでもまだ15やそこらじゃないですか。どんなに能力があってもやっぱりそれを良く思ってないやつらも居るって聞きましたし」


(そうなのか……?)




だんだん不安になってくる日番谷に対し、松本は





「(もぉ一押し!)それにって可愛いし。女の私から見ても護ってあげたくなるような可愛さがあるんだから、男どもが放っておくわけがないじゃないですか!もしの身に万が一なんてことが起きたら」
あーーーわかった!行って来い!!」


「はぁ〜い
vv









と、その時は松本の言葉が不安をよび、つい行かせはしたが、仮にもは十番隊第三席


隊長クラスか、副隊長クラス以外が万が一襲ってこようとも難なく返り討ちにするくらいの力は持っている


それを一番知っているのは誰でもない、たまに稽古をつけている自分ではないか




そう気づいたのは松本が帰ってこなくなってから10分後のことだった






それから今に至るまで日番谷は一人、黙々と帰ってこない副隊長と三席の分の仕事もこなしていたのだった














「それじゃぁ松本副隊長は私を探しに出たっきりなんですか!?」


「あぁ」


「"あぁ"って隊長!心配じゃないんですか!!?副隊長が出てってもうかなり経ってますよ!!?」



「(心配も何も、あいつのはただのサボりだ)   そんなことより、お前が不在時にこれが届いたぞ」





ホラ、と日番谷から手渡されたのは一枚の書類




「なんです?これ」


「自分で読め」




まぁごもっともで……





「えぇ〜っと?   
"数日前現世へと向かった死神が現世の滞在日数を過ぎても帰還せず。当死神を即刻帰還させたし"     何かあったんでしょうかね?誰を連れ帰ればいい     …っ!!!?た、隊長!!!私この任務受けていいですか!?」




何かに弾かれた様には勢い良く日番谷を見た



「受けるも何も、お前宛に届いた任だ。断りさえしなければお前が行かなきゃなんねぇだろ」





この忙しい時に、と日番谷はボヤくが、今のにはそれすら聞こえていなかった


















滞在日数切れの為帰還させるべし



十三番隊    朽木 ルキア

赴き先    空座町






















廻りだす、運命の歯車                               
























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