うちの隊に紛れ込んでた書類を届ける為、私は五番隊の詰め所に向かっていた 「うんっ、今日もいい天気」 きっと夕焼けも綺麗に見える 「あっ!急がなくっちゃ!!まだ仕事が山積だった……」 今頃うちの隊舎ではバタバタと書類が行き来してるに違いない 「隊長ばっかりに仕事押し付けられないもんね」 # 02 「書類をお持ちしましたぁ」 五番隊の詰め所に入ると、隊員が執務室前まで案内してくれた 「十番隊第三席 。入ります」 ドアを開けると書類に目を通していた五番隊隊長・藍染 惣右介が顔を上げた 「やぁ君、わざわざ書類を届けに来てくれたそうだね」 人の良さそうな笑顔で迎え入れてくれた藍染隊長 「いえ〜、仕事ですから。 数枚の書類を藍染隊長に提出すると、藍染隊長は「ありがとう」と受け取りさっと目を通した うちの隊長の執務室以外は滅多に入らないせいかなぁ なんだか落ち着かない… 「あの、私そろそろ」 「そう言えば君」 「ぇ、あ、はいっ」 そろそろ十番隊に戻ろうかと言おうと思ったら、藍染隊長が話を切り出してきたから言い出せなかった… 藍染隊長は書類から目を離し、真っ直ぐ私を見た 「仕事には慣れたかい?まぁ君は優秀だからね、大きな問題はないと思うが」 「優秀、かどうかはわかりませんが…。仕事はだいぶ慣れましたっ。みなさん良い人ばかりで親切にしてもらってますし」 うちの隊員だけじゃなくて、他の隊の人たちもとても親切だし(一部凄〜く苦手な隊もあるけど…)今は現世に行ってるけど親友も出来た 「何かあったらいつでも相談に乗るよ」 「はいっ!ありがとうございます」 藍染隊長は何かと私を気にかけてくれる 桃ちゃんが憧れるのもわかるなぁ〜 「あ、そう言えば雛森副隊長は ここに入ってから桃ちゃん(雛森副隊長、って言ったら"桃でいい"って半分怒られちゃった)の姿を見てない 「あぁ、雛森君には三番隊へ書類の印を貰いに行ってもらってるんだよ」 「さ……三、番隊………ですか……」 あからさまに苦手オーラを出してしまったのか、藍染隊長はクスリと笑った 「君は三番隊が苦手なようだね」 「ぁ……いえ 言える筈がない…… 仮にも隊長 アレでも隊長 あんなのでも ゾクゥ あぁぁぁ〜…考えただけでも寒気が! 「でも、そうだね…。君は気をつけたほうがいいかもしれないよ」 突然神妙な顔つきになった藍染隊長に、私は「どうしてですか?」と思ったことを口にした 「いや…。僕の思い過ごしならいいんだが。市丸はどうも君を違った目で見ている気がして」 出たっ……出た出たっ!!その名前!!! 私が唯一心の底から苦手とする人物の名前…… 三番隊隊長・市丸 ギン どうして彼が私なんかを毎日毎日毎日偶然を装って沸いて出てくるのかは知らないけど、あの藍染隊長までもが"気をつけろ"って言うんだから、私の彼への恐怖心は数倍増してしまった…… 「だ、大丈夫ですよ。市丸隊長がどんな目で見てるかは知りませんが、私みたいな一隊員を気にするほど私は目だってないですし」 私の言葉を聞いた藍染隊長は「ん〜…僕がいいたいのとは少し違うけど」と困ったような顔をされたが、私は決めた! "目立つことは避けよう!!" 何が市丸隊長の逆鱗に触れるかもわからない…… ただでさえ毎日顔を合わせてしまっているのだから…… ………………毎日……顔を…… 「あぁぁぁぁ!!!仕事ぉぉ!!!」 すっかり忘れるところだった!!! 「すっすいませんっ藍染隊長!!私まだ仕事が残ってるんでした!!これで失礼させて頂きます!!」 私は有無を言わずに部屋を出る際にお辞儀をし、急いで十番隊に向かった 外の天気とは裏腹に、闇に微笑む人物にまだ誰も気づいていなかった…… 前項 / 次項 |